こん〇〇は!
今年はガンダム40周年ということで、秋には宇宙世紀派待望の『閃光のハサウェイ』が公開予定などガンダムが盛り上がれ!な令和元年。
今回は、1985年に放送された「機動戦士Zガンダム」について『あの作品はいったい何を語ってたのか?』について、漫画家山田玲司さんの考察を参考にしてかいつまんで紹介したいと思います。
ちなみに...私はZガンダムがあまり好きではありませんでした。
当時はぶっちゃけ…
『なんなん…あのメンヘラガンダムは?』
と思っていました(;'∀'A
#それでも3周くらいは観てるんですけどね💦
閑話休題。
Zガンダムがめっちゃ病んでるメンヘラアニメなのは何故か?
一言で語るなら富野監督の絶望であると…
僭越ながらガンダマー端くれのわたくしがかいつまんでご紹介させていただきます。
ガンダム以降7年の間に富野さんは数々のロボットアニメを世に生み出しました。
・伝説巨人イデオン
・聖戦士ダンバイン
・戦闘メカザブングル
・重戦機エルガイム
山田氏によると7年でコレだけの数の作品を送り出すのはちょっと異常だそうです。
何故こんな無茶をしたのか?
ガンダムを超える作品を生み出したかったから。
『富野にはガンダムやらせておけば良いんだよ』
周りのこの声にクリエイターとして負けたくなかった。しかし世間は残酷で…ガンダム以降の作品は印象的なものが多かったものの爆発的には売れなかった。
そこで、サンライズからまたガンダムをやれ...という事に!Σ(-᷅_-᷄๑)
※売れてないって言っても、某岡田斗司夫さん曰くそこそこは売れてたとのこと。
きっとクリエイターとして屈辱的に感じた事は想像に難くありません。その鬱屈した精神状態がZガンダムの端々に表現されているわけです。
おっさんになった今、少しだけ富野さんの悔しさが理解できる気がしました。
Zガンダムが作られた80年代中盤、山田氏の言うように日本はまさにバブル期がスタートしてイケイケな世を満喫していました。
この時代を表現してそうな漫画アニメというと(私の偏見含む)
・Dr.スランプ
・さすがの猿飛
・きまぐれオレンジロード
・じゃりン子チエ
・AKIRA
・超時空要塞マクロス
・キャプテン翼
・タッチ
・北斗の拳
こんな感じの…(分かる人はわかると思いますが)ギャグ、お洒落でトレンディ的な恋愛、SF超大作…etc、バブル期の日本が盛り上がる雰囲気や何処かふわふわした感じに乗っている作風が流行っていたっぽいです。
※ジュリアナ東京は1991年オープンだったとのこと。
浮かれてた時代の代名詞なのか、これから来る冬の時代への諦めの境地だったのか...どちらだったんでしょうね。
こんな世の潮流の中で放送されていたZガンダムの陰湿さはさぞ異質だったと思います。
コレは、のちに訪れる日本の冬の時代(90年代初頭からのバブル崩壊から失われる20年)をぼんやりと示唆していたのではないか?と山田氏は言います。
何故そんなに世の中を悲観していたのか?
Zガンダムの放映後間もなくバブルが崩壊し失われた10年がスタートします。
1990年代といえば、日本ではバブル崩壊、オウム事件、阪神淡路大震災などが起こり、世界を見ると冷戦の終了を告げるベルリンの壁の崩壊、ソ連崩壊などの共産圏の崩壊とともにユーゴスラビア情勢の泥沼化、湾岸戦争が勃発したりと大きな変化がたくさんありました。特に世界の方は第二次世界大戦後も米ソ代理戦争が続いていたと言っていいと思います。
Zガンダムは、そんな世の中の不安定な空気感を絶妙なバランスで表現できていたのかもしれません。
最近、ダイアモンドオンラインに劇場版「うる星やつら」「機動警察パトレイバー」「攻殻機動隊」などを世に送り出した押井守監督のインタビューで、
「日本人は進んで未来を捨ててきた」
と中々衝撃的なことをおっしゃっていました。
変われないどころか、(技術的な)チャレンジを全然しなかった日本。コストと効率化を推し進め、自ら首を絞めている。楽しいことにチャレンジしろと。。。
シャア(フル・フロンタル)は言います。
『ニュータイプになれば、あの温かな光を以て、時間さえ支配出来る?
それは夢だ。地球を包んだあの虹を見ても人は変わらなかった。
これからも変わることはない。』
『変わろうとしない者には、変わらないなりの未来を与えておけばいい。』
富野ガンダムのセリフではありませんが、このフロンタルのセリフを生み出した福井さんが当時の冨野さんの気持ちを代弁している気がしました。
実際、バブル以降失われた30年とは言いますが、時代の流れ、不運、色々ありますが、『何だかんだ言い訳はあるだろうが、結局変われなかった日本』...って、当時の富野さんに言われちゃいそうです。
こう言った当時の日本の時代背景やその時代の息苦しさ、世界の潮流とリンクしてZガンダムをみるとですね…
Zガンダムめっちゃ面白い!!
となるわけですよ。更に、1stガンダムと比べると富野監督なりの男と女のジェンダー観がこれでもかというほど詰まっています。

Zガンダムは世の中に何が起きてるのかを知ってれば知っているほど、男と女についてあれこれ考えれば考えるほど楽しめる、正に大人向けアニメ。
当時リアルタイムで観ていた私たちは完全に置き去りの物語でした。それでもなんか深そうな感じがするこのガンダムの一つ一つ意味を知りたくて、ついガンダムにのめり込んでしまった私のようなおじさんは沢山いらっしゃりそうです。( ̄▽ ̄;)
絶望して作ったガンダムにこれだけ詰め込んでしまう富野さんの教養の深さと無茶苦茶さ、表現力に脱帽です。
Zガンダムのタイトルも秀逸で、(富野監督にとって)最後のガンダムの意味なんですね。
※ご存知の通りその願いは叶わず、更にたくさんガンダムを作ることになるわけですが💦
「Believe in sign of Z」とは何か?
最終話、カミーユが抜け殻になってしまい、Zガンダムのコクピットから出られないあのシーン…モロには書けませんので山田氏のおっしゃっていた事を言い方を私流に変えますと、、、
『お前(ら)は社会のレールに沿って走るだけの飛べないかごの中の鳥なのだ(かなり意訳)』
...的な示唆であるようです。
#詳しくは是非山田氏のYoutube動画をご覧ください。
懐かしのリゲイン「24時間働けますか?」のCMじゃ無いですけど、90年代後半からの就職氷河期に社会に飛び込み、なんとかしがみついた場所でロボットのように働いて...挙句に運が悪いと使い捨てされる…
世間に絶望した若者たちが一連のオウム事件など悲惨なテロ活動に手を染めてしまう…
理想を追い求めて、それが幻想だと知る
それを見越したかのような物語。
この辺、まさに先ほどの押井守監督の「未来を捨ててきた」にリンクする感じが...怖すぎる。。。😱
話飛びますが...劇場版のZガンダムは一部シーンで絵が綺麗になりましたが、エピソードは端折りまくり、わたくしは懐かしいだけで全く好きになれませんでした。
特に、エンディングでカミーユがZガンダムのコクピットから出てファと抱き合うあのくだり。TV版の方がよかった、とかZZに繋がらなくなる!とか非難たくさんあったと思います(かく言う自分もです😅)。
ですが、TV版のラストに込められたメッセージを理解すると、成る程富野監督の今のこの時代に寄り添って思う気持ちや意図が少しわかった気がして今更ながらにジーンときちゃいました。
劇場版Zガンダムの「sign of Z」とは何か...
「殻に閉じこもることなんてない。
狭い世界を飛び出して自由に生きてけ。」
若者たちに対しての希望や、頑張れというエールが込められているんだと私は受け止めました。
と言うことで、今回山田玲司さんの解説を参考に改めてZガンダムを振り返ってみたのですが、素晴らしい物語だったんだと考えを改めました。
にしても…
Zガンダム難しすぎでしょ( ̄▽ ̄;)
子供にこんなんわかるかー#
というコトでZガンダムのお話はこの辺で。
最後に、山田怜司さんのZガンダム解説の動画をご紹介して終わりたいと思います。
おそらくかなり楽しめると思いますので、ガンダマーの方で未視聴のかたは是非ご覧ください(^^)v
<<おまけ>>
ヘンケン艦長のエマさんへの恋心ですが...
山田氏によると劇場版では恋人同士になってるじゃん...とのこと。
TV版では情熱的なアプローチがスルーされまくりだったヘンケン艦長ですが、大人の恋が成就して本当に良かった!
それでは、今日はこの辺で。(^^)/