こん〇〇は!
今日はいつもぼんやり考えていた、回り道よりショートカットすることで目的地に早く行ける理由と、裏道を頑張って走ってもあまり近道にならない理由を考えてみたいと思います。
今回、『需要絶対ないよなぁ…』というネタをかなり頑張って書いてしまったので、心優しい方は流しながらでも最後までたどり着いてくださるとうれしいです。
[目次]
ピタゴラスの定理
こんな道を思い浮かべて下さい。
地点aから地点bにいくには上に向かっても左に向かっても、2kmの道のりを歩かねばなりません。
これが、もし真ん中をショートカットできるとどうなるでしょう?
地点aから地点bに一直線に進むと
という事で、明らかに近くなるんですよ。
これを「ピタゴラスの定理」と言って、恐らく子供のころ習ったのをぼんやり思い出してくださった方もいるのではないかと思います。
なんか胡散臭いって言われちゃいそうなので証明してみます。
大きい方の正方形(青四角)の面積Sを求めます。
・一辺が(a+b)なので
・面積Sは一辺がcの正方形(赤四角)と直角三角形4つの和なので
とも表せます
∴
ということで、直角三角形においては、一番長い辺の2乗はほかの短い辺の2乗の和であることが証明できてしまいました。
この「ピタゴラスの定理」は昔から大好きな方が多くて、証明方法はなんと100種類以上あるそうです。ひやぁ…
Wikipediaには沢山証明の仕方が記載されているので、興味ある方はそちらをどうぞ。(^^)/
正方形の対角線をジグザグに行くとどうなるのか?
なんでこんなことしてるかというと...ふと気になってる事があったのです。
『ショートカットの際、こんな風に小さくジグザグしたらどうなるのか??』
って気になりませんか??
ジグザグする回数をnとした時、の時の道のりは2km。
でも、でも変わりません。小さなジグザグでショートカットしてもkmにはならず2kmなのです。
しかし、とすると 対角線は になるという。。。
不思議じゃありませんか?
当たり前って思う方もいらっしゃると思いますが、自分はこれがパラドックスにしか思えなくて...「ピタゴラスの定理」で証明できても納得できないもんは出来ないのです...( ̄▽ ̄;)>
きっと同じこと思った先人の方は山ほどいるだろうとGoogle先生に聞いてみました。
しかし...ピタゴラスの定理はあまりにも鉄板すぎて、私と同じような疑問を持って語ってる人が意外と少なく調べるのに大苦戦。
結果...行き着いた先は「の無理数性」と「無限の曲線」でした。
「無限の曲線」を使って対角線の証明するのは微積必須なのと分かりやすく解説できる気がしないので、今回は何故正方形の対角線がの様な無理数になってしまうのか?をスレンダーなりに説明してみたいと思います(出来るんか💦)。
下図のように1辺が1の正方形を考え、その対角線をとします。
ピタゴラスの定理を用いると、
※この時点でになっちゃうのですが一旦置いておきます。
AからDへの移動を縦横にものすごく小さな数(nは自然数)ずつ移動するとします。(ジグザグにね)
AからDにたどり着くのにm回ジグザグするとなると、対角線は
になる…と思います。
をこれ以上に約分できない数に変換するとします。
例えば、1を100で割る→
その回数
なので約分出来ちゃいます。
約分するとなので、約分後のそれぞれの数値を、とすると
→とすることが出来ます。
※この状態だとbもaも1が公約数になります。
つまり ※すでに胡散臭いですが(笑)
これを に代入する
∴という式になります。
bは奇数か偶数か?奇数の2乗は奇数でございます。
よりは何らかの数に2をかけた数なのでbは偶数であることが証明できます。
bが偶数ということで、整数pを用いてとすることが出来ます。
そこで、この式を思い出してください。
ココにを代入すると
∴
あれれ??
aも偶数になっちゃった…(; ・`д・´)
aが偶数になっちゃうと何がまずいかというと…先ほど前提にした
をこれ以上に約分できない数に変換するとします。
例えば、1を100で割る→
その回数
なので約分出来ちゃいます。
約分すると2/1なので、約分後のそれぞれの数値を、とすると
を約分しとすることが出来ます。
※この状態だとbもaも1が公約数になります。
自分で設定したこれが覆っちゃうのです。
※頭がこんがらがってきた方、申し訳ありませんm(__)m。あとちょっとです。
これは、最初に書いた
AからDへの移動を縦横にものすごく小さな数(nは自然数)ずつ移動するとします。(ジグザグにね)
AからDにたどり着くのにm回ジグザグするとなると、対角線は
なる…と思います。
これはをでは割り切れないことを示しているし、1で通分・約分が成り立ってないことを表しています。
∴はずつm回ジグザグに行っても成り立たない
※実際、、の場合、になってしまうので と矛盾します
こういう「その命題が成り立たないと仮定して矛盾が生じることとを証明する」方法を、数学的には「背理法」といい、頭こんがらがりそうになりますが、ジグザグ歩きではどんなに細かくギザギザに歩いても対角線xに近づくことは無理…つまりショートカットできないことを証明出来ました。
やっと結論です!
近道と思って大通りを通らず、裏通りをジグザグに行くのは、大通りが空いていれば全く意味がないということでございます。
皆様、見通しのいい道路を使って安全運転で行きましょう。
【余談 】江戸の数学
Googleで調べると忍者もピタゴラスの定理を用いて水深を測った…みたいな記事が出てきますが、国立国会図書館のサイトには和算でピタゴラスの定理を証明した資料があるようです。
江戸時代の日本でもがこういう数式や図形に夢中になっていた人たちがいたと思うと胸が熱くなりますね。
また、今回ご紹介した「ピタゴラスの定理」にちなんで「フェルマーの最終定理」という定理があります。
ja.wikipedia.org
この定例には本当にロマンがあって『今の数学技術じゃ証明は無理だけど未来正しいので答えの証明は未来に託す…』という形で、フェルマーの死後360年経ってワイルズが正しさを証明した…という物語がありました。
数学って…ものすごくロマンあると思います。同じ命題に対して、時空を超えた人たちが疑問に思って『それってなんで?』って疑問を持って証明しようとするって…人間の本質の一つではないでしょうか?
そんなわけで、今回は「ピタゴラスの定理」をネタに色々遊んでみました。
また、皆さんの身近にある面白い定理でご紹介できそうなものがあったら、取り上げてみたいと思います。
超マニアックな話に最後までお付き合いいただき、ありがとうございました。
今日はこの辺で失礼します。(^^)/
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「背理法」での対角線が無理数になることの証明はこちらの論文を参考にさせていただきました。
『の無理数性の認識』
https://www.juen.ac.jp/math/journal/files/vol18/iwasaki2003.pdf
Tex記法についてはこちらのブログを参考にさせていただきました。
Special Thanks!!です。