ガンダムおたくのカーライフ🚗略してガンカラ!

クルマやガンダム、自分の体験したコト、日々興味のあるコトについて語らせていただきます

動的感性工学に妄想する『クルマは体の延長である』だが1トンの塊でもあること

こん○○は!
先日、ゴルフコンペに行ったとき、久しぶりにエイトを動かしました。
…って言っても、ほんの150㎞ちょいと乗っただけなのですが、エイトに乗るのは楽しかったです。

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※イメージ写真:魅さん撮影

エイトに乗りながら…いつも何となく考えていることなんですが、クルマの操作性について少し考えてみました。

 

唐突ですが…
自分はテニスが趣味でたまにプレーするのですが、テニスで重要な事はラケットを手のひらの様に扱えること。
ラケット面が腕や手のひらの感覚の延長線の様にならないと、中々『楽しい!』と思えるレベルのテニスになりません。

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ですが、この事を意識してる様では全くダメで、”良くわからないけどそうなっている”状態を目指す必要があります。
恐らくこの感覚はゴルフも一緒で、上手な方はクラブヘッドをボールに当てよう…なんて思うことなく、手のひらで弾く様にボールを打てていると思います。

これって、クルマも同じかなぁと思っていて。1トン以上の鉄の塊をハンドルとペダルだけで、人は自動車を暗黙的に”体の延長線”の感覚で動かしているんですよね。

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運転する人は一々アクセル開度何%、ハンドルは何度切って…なんて考えておらず、”良くわからないけどそうなっている”状態=運転できる状態であると言えます。
テニスで言うと、ボールが来たら無意識にラケットで打ち返せる感覚。

 

『道具は身体の延長である』
との格言(誰が言い始めたか分からないらしい)があります。
実際『道具は身体の延長である』という考え方は、商品開発に携わる人、バイヤーさん達にとって大事な感覚らしいです。(*^^*)

 

クルマを動かすということは大した訓練も受けずに重い鉄の塊を公道でドライブできる、クルマを使ってマラソン選手の何百倍の仕事量を簡単にこなしてしまうスゴイことなのです。

ハンドル・ブレーキ・アクセルといったクルマの操作インターフェースを考えた人は天才だと思います
一つ一つを分解すると
・アクセル→加速Gのコントロール
・ブレーキ→減速Gのコントロール
・ステアリング→ヨーイング・モーメントのコントロール
と役割分担された機能の集合体とも見えますよね。
これらとクルマが動くときのGを感じ取って、それぞれの要素が相互にフィードバックしあってクルマを動かしています。

 

クルマを動かす場合、5感のうち大きく3つが関与していると思われます。
視覚、聴覚、触覚です。
これらについて詳しく知ろうと思って『触力覚を伴う作業の記録と再生に関する研究』というのを軽く読んでみたのですが…めちゃ難しかったので、私のざっくりすぎる意訳とともにニュアンスだけご紹介します。

人間が加速度を感じるの使う感覚は恐らく触覚(視覚は補助?)だと思うのですが、この触覚…視覚や聴覚と比べ非常に複雑な器官らしいです。

・視覚は…目に入る光を高精度液晶ディスプレイなどでコントロールすれば再現可能
・聴覚は…耳に入る振動をコントロールするスピーカーで再現可能
・触角は…一点に集約された感覚器官があるわけでなく機能が分散しているため、入力情報の再現が極めて難しい器官である 

更にクルマを動かす場合は、どのインターフェースをどれくらい動かすか?についても、触覚で各方向の加速度を感知、ステアリングや各ペダルからのフィードバックを触覚で感知、視覚・聴覚からのフィードバックを受けて、脳が動かす量を判断し、最終的に手足が各インターフェースを動しています。普段、何気なくやってる動作は極めて複雑な事なのです。

再現しにくい触覚という器官がメインとなるの加え、さらに個人の主観によって如何にも変わってしまう各インターフェースの味付けがあります。
・ハンドルは重い方がいい
・アクセルペダルは重い方がいい
・ブレーキは初期制動が弱く、アシストがあまり効いてない方がいい
みたいなことをクルマ好きは言いそうですが、まったくこの逆を言う方もいらっしゃるでしょう。
「意のままに動かす」コトを再現される側(=クルマ)側では、そこそこ万人受けするように…まさにいい塩梅にセッティングしないといけないのですから、クルマの設計・開発・生産は…素人には想像もつかない難しさです。
意のままに動くを数学的(=再現可能な形)に語るのは相当難しそうです(;'∀')

 

『意のままに動かす』感覚を、元ロードスター開発主査の貴島さんは「動的感性工学概論」という理論で語られています。

www.autoexe.co.jp

「人間の意のままに動く楽しさ」について、絶対性能や静的感性との違いや、量産車だからあきらめる部分もあること、その人の好みのゾーンにたどり着くためのチューニングカーの可能性などについて丁寧に説明してくださっている内容です。

貴島さんは、「さわる」「曲がる」「走る」「聴く」「止まる」を5つの柱とし、これらをバランスよく整え、統一されたテイストに調律することで、ロードスターでよく言われる人馬一体感を表現するとおっしゃっています。

 

自分の愛車でワインディングなどを流しているとき、自分の手足の様に走ってくれる感覚や、(乗れてる時)コーナーでのインフォメーションを感じながら気持ちよく駆け抜ける感じ。
サスペンションがタイヤをきちんと接地させてくれている事、その状況をドライバーにいい塩梅で伝えてくれる造り。
各々のドライバーのレベルに応じて『このこらいの速度なら曲がれるよ大丈夫』ってクルマが教えてくれている様な感覚。

 クルマとの対話は楽しさでもあるし、身体の延長線上の感覚で自分の力が無意識に増大するような快感もクルマの醍醐味だと思います。

 

道具として考えると

ラケットやゴルフクラブは、腕を何十センチか延長して、てこの原理で自分の腕以上のパワーを発生させるために使います。
クルマの感覚はそれに近いものの、増大させることができるパワーは原動機や車輪のおかげで”てこ”の比ではありません。

 クルマという道具があまりに良くできており簡単に操作できるために、ドライバーのどんな操作に対して従順に言うことをきいてくれるような錯覚、コントロールすることは簡単であるような錯覚、自分が動かしているものが1トンの塊であることを認識の外に追いやっちゃう危険性があるんだと思います。

 

強大な力と質量をきちんとコントロールして安全運転を心掛けたいものです。
という事で、今日はこの辺で失礼します。(;^_^A